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第56回目の登場は、熊本県人吉支部 村上華陽(本名:上野千恵)さんです。 |
今年の事務局便り、最後の登場は、人吉支部 師範の村上華陽(本名:上野千恵)さんです。
華陽さんの師匠は、皆さんよくご存知の人吉支部 総師範の村上由里華先生です。
由里華先生は華陽さんが小学校3年生、4年生の時のクラス担任の先生でした。華陽さんが3年生の時、由里華先生が数名の生徒に「三味線を習いませんか?習いたい人はお家の人に相談しておいで」と声をかけられたそうです。
由里華先生曰く、歌が上手な生徒に声をかけたとのことですが・・・(笑)もともと音楽が好きだった華陽さんは、三味線にも興味を持ち、お母さんに「三味線を習いたい」と相談したところ、「やりたいなら、頑張りなさい!」と許可がおりました。そこで早速、由里華先生に三味線を習うようになったのです。
学校の昼休みや下校後に三味線の指導も受けることになるのですが、「三味線には毎日さわりなさい」と言われた華陽さん。その日から毎日、学校の帰りに由里華先生の家に立ち寄り、由里華先生がいてもいなくても三味線のお稽古をして帰ることが日課となりました。先生が準備して下さる「おやつ」や遅くなった時に先生が作って下さる「おいしい晩ご飯」がとても楽しみだったと、当時を懐かしそうに話して下さいました。
もともと熱血漢で有名な由里華先生ですから、指導力も並のものではありません。お弟子さんをしっかり仕込むのが先生の目標ですから、その指導を受けたお弟子さんは皆さん上手になられます。また、それを素直に受けていく華陽さんでしたから、小学校6年生で名取、高校生で師範に昇格しました。
また初代家元からも見込まれていた華陽さんは、中学生から民音公演や宮崎でのイベントなどにも出演。学業も両立しながら、プロのステージにも数多く参加されています。大活躍の華陽さんでしたが、平成8年の村上三絃道特別公演 『道・・・遥かなる峰をめざして』の舞台を最後に、結婚され、大好きな三味線をしばらく休むことになりました。
4人の子宝に恵まれ、家事や育児に追われる日々は続きましたが、一番下のお子さんが小学生になり、手がかからなくなった頃、由里華先生より「私の後継者になりませんか?」と声をかけられたそうです。
これまでお世話になった由里華先生に、いつかご恩返しがしたいと思っていた華陽さんは、三味線を弾くことによってご恩返しをしたいと、一年前から復帰され、由里華先生の代稽古や、唄、太鼓の伴奏に精を出しています。そんな華陽さんの夢は、人吉・球磨の三味線人口を増やすことだそうです。
来年には次女のお嬢様が三味線を始められる予定だそうで、これからの親子共演と、ますますのご活躍が楽しみです。