第89回目の登場は宮崎本部 奥伝の横山直美さんです。
横山さんが住んでおられる宮崎県東諸県郡国富町には無形文化財の「六日町正統俵踊」という伝統芸能があります。
8年程前、伴奏者の方が高齢化のため、踊り手であるお父様から「お前が覚えて伴奏をしなさい」と言われたそうです。
しぶしぶ重い腰を上げ練習することになりましたが、特に三味線に興味がなかった横山さんは「六日町正統俵踊」だけを練習されていたそうです。
それから6年程経ったある日、論語の勉強会で、知人から家元を紹介されました。
家元に「六日町正統俵踊」をやっていることなどをお話すると、採譜をしていることを知り、家元に頼むことになりました。
また「六日町正統俵踊」をきちんと弾けるようになりたかった横山さんは、家元より三味線を習うことに。
習ってみて、いかに今までの自分が自己流でやっていたのかがよく分かったそうです。
家元から撥の持ち方や左手の押さえ方などを丁寧に教わりました。
ちょっとした事でも三味線の音色が全然違うという事に気付き、三味線の奥深さを感じたそうです。
三味線をやっていくうちに色んな曲も弾きたくなった横山さん。
今では「津軽じょんがら節」も演奏されるほど上達されました。
夏に開催されている「伝統音楽を楽しむ会」に2回参加された横山さんは「舞台に上がって人に見てもらう事の緊張感と達成感を、大人になって久しぶりに感じる事ができました!」と嬉しそうにおっしゃっていました。
国富町内の方や地元の保育園、中学校の子供たちも「六日町正統俵踊」の踊りを継承しているそうです。
この伝統芸能を絶やさないためにも、自分が教える立場になって皆さんを引っ張っていきたい!との事。
そして、これからもたくさんの曲を覚え、たくさんの舞台に立ちたいそうです。その為にも、一人で着物を着れるようになりたいとか…。
これからのご活躍、ご精進をお祈り致しております。
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