広島支部 古村喜代子さん

熱心に稽古に励む一門の中から、今回は広島支部 古村喜代子さんをご紹介します。

古村喜代子

広島支部・由治穂会の古村喜代子さん(皆伝)は入会されて20年目。毎月行われているボランティアの演奏活動では皆勤賞という熱心な生徒さんです。

古村さんは芸者さんをされていた叔母さんの粋な着物姿、三味線の音色に憧れ、中学生の頃から三味線を習ってみたいと思っていたそうです。今お住いの閑静園団地には、由治穂先生の稽古場があり、いつも聞こえて来る三味線の音色にうっとりしながら、自分でも弾いてみたいと夢見たとのこと。しかし、三味線は芸者さんが演奏するものと、ご主人からも反対され諦めていました。

ところがある日のこと、雑談の中で「三味線したいのよ・・・」という古村さんに、とうとうご主人からのお許しが出て、ようやく想いが実現することになりました。その頃はちょうど55歳。もう少し早く始めたかったんですがと、ちょっぴり悔しそう。

でもお仕事の合間にお稽古に励まれました。家では窓を閉めて音が聞こえないよう気をつけてますが、「最初の頃は音が途切れ途切れで五月雨みたいだったけれど、今は上手になったね?」と近所の皆さんに褒めてもらえるようになりましたと嬉しそうな古村さん。

ご主人から直接褒めてもらうことはありませんでしたが、団地のお祭りなどで演奏している古村さんを見ながら「良く弾けるようになりましたよね」と由治穂先生には自慢気に話しておられたそうです。

そのご主人も一昨年、亡くなられ、息を引き取る前に、「お母さんにはいつまでも三味線をさせてやって欲しい」と、息子さん達に言葉を遺されました。
そんなご主人の言葉を支えに、演奏活動やお稽古に参加。
家元からの心音塾もご主人が亡くなられた時以外は休まれません。

古村さんに三味線の魅力を伺うと、「なんとも言えない音色、それに、由治穂先生は何でも受け止めて下さって、何回も間違えても嫌な顔一つせず、根気良く教えて下さいます」とのこと。ご主人の「しっかりやれよ」という言葉を胸に、出来る限り続けていきますと、生き生きと語って下さいました。

更新日:2017/05/18