伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】

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伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】2023年8月11日(金祝)、宮崎市民文化ホールイベントホールにて、5年ぶりとなる「伝統音楽を楽しむ会」を開催いたしました。
おかげさまで満員以上のお客様にお越しいただきましたが、入場をお断りしたお客様や立ち見のお客様もおられて、申し訳なく思っております。

ホームページでは、コンサートの全容を随時更新していきます。
このページでは「第一部」をご覧ください。

日頃の感謝を込めて先着100名様には青森県産のりんごをプレゼントさせていただきました。
12時30分開場、13時開演でしたが、12時前にはお客様がお越しになり、開場と同時に100個のりんごがあっという間に無くなりました。
今回もご協賛いただいた企業様、そして後援会員様には客席中央に特別優待席50席を設け、いつも村上三絃道を応援してくださる皆様に良いお席でご鑑賞いただきました。

伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】

オープニングは小渕洲明会の皆さん。曲目は「早調ひえつき節」。
今回は銭太鼓も演奏に加わっての演奏でした。銭太鼓とは出雲地方(現在の島根県東部)に古くから伝わる民俗的なリズム楽器で、「銭の鳴る音」を利用して踊りの伴奏につかわれるもので、島根県の伝統民謡である「安来節(やすぎぶし)」などでよく登場します。
賑やかな早調ひえつき節に、息のあった銭太鼓をご披露いただきました。

伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】

オープニングの後は2名の方からご挨拶をいただきました。
まずは後援会を代表し後援会長の大迫三郎様、そして来賓を代表し宮崎市教育委員会教育長の西田幸一郎様よりご挨拶をいただきました。

今回は宮崎本部、高鍋支部、都城支部、熊本県人吉支部、熊本県球磨支部、愛媛県松山支部の皆さんが参加。
5年ぶりということもあり、初参加の方も多数おられましたが、各教室ともこの日に向けて、コツコツとお稽古に励んできました。

第1部はジュニアによる「津軽じょんがら節」からスタート。
大人顔負けの撥さばきを披露し、お客様も驚いた様子でした。

伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】

2曲目は「ソーラン節」。
最年少は5歳の佐藤瞭太郎(りょうたろう)君。
会場いっぱいに響き渡る元気のいいお囃子で会場を沸かせていました。
唄は小学校1年生の杉田愛梨菜(ありな)ちゃん。昨年の12月からお稽古を始め、今回が初舞台でしたが堂々と「ソーラン節」を唄い上げ、大きな拍手をいただきました。
可愛い演奏にお客様も顔がゆるみ、笑顔になっておられました。

伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】

一般の部は「花笠音頭」からスタート。
山形県で開催される「山形花笠まつり」で唄われる「花笠音頭」は、小学校の運動会でも花笠を持って踊られています。
唄は人吉支部の小学校4年生、荒毛琴海(ことみ)ちゃんが唄ってくれました。

続いては「おてもやん」、「宮津節」、「球磨の六調子」。
熊本県民謡の「おてもやん」は明るくて芯の強い熊本の女性を象徴する人物として時代を超えて唄い継がれています。
京都民謡の「宮津節」は船乗りや商人によって全国各地へ伝えられ、江戸末期には日本中の花柳界で流行しました。
現在では京都府宮津市の無形文化財「宮津おどり」の1曲として使用され、夏の盆踊りでの市民総踊りの曲としても親しまれています。
熊本県民謡の「球磨の六調子」は人吉・球磨地方のお祝い事には必ず唄われてきました。
今では熊本を代表する民謡の一つとなり、ユニークな方言や調子のよいリズムが特徴です。
唄は人吉支部の村上華津枝さん、村上華縁久さんの味のある唄声でお客様を魅了しました。

伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】「宮津節」

宮城県民謡の「豊年コイコイ節」では、3歳から三味線のお稽古をしている野元彩妃(さき)さん、高校1年生が伸びのある唄声を披露しました。
「豊年コイコイ節」は宮城県仙台市近郊で唄われ、豊年を願って唄われる民謡です。

宮城県民謡の「斉太郎節」、北海道民謡の「ソーラン節」では最年少の佐藤瞭太郎君、そして瞭太郎君のお父さんお母さんも三味線で参加。微笑ましい親子共演となりました。
「ソーラン節」では日向市から親子でお稽古に通っている、小学校5年生の水木泉琴(みこと)ちゃんが元気いっぱいに唄ってくれました。

続いては北海道民謡の「北海盆唄」。
北海道の盆踊りの曲と言えば「北海盆唄」ですが、北海道三笠市が発祥とされています。
三笠市では毎年8月13日から15日までの3日間、「三笠北海盆踊り」が開催され、高さ10メートルもの巨大やぐらを囲み、「北海盆唄」に合わせて市民が踊ります。
唄は都城支部の村上由稀愛(ゆきな)さん。ジュニアの可愛いお囃子にも注目が集まりました。

伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】

一般の部最後の曲「津軽タント節」では、水木泉琴ちゃんのお母さんで名取の村上由千花(ゆうちか)さんが、迫力のある唄声を披露しました。

伝統音楽を楽しむ会2023【第一部】

名取・准師範の皆さんの演奏では、息の合った「よさこいじょんがら」の合奏でお客様を釘付けにしていました。

「津軽じょんがら節唄弾き」では、4歳からお稽古に通っている、中学3年生の村上由宇心(ゆうみ)さんの透き通った唄声でお楽しみいただきました。
由宇心さんは三味線、太鼓、唄、横笛にと大活躍でした。
「津軽じょんがら節唄弾き」は津軽三味線の代表曲ともされていますが、細かい小節(こぶし)がたくさん入る難しい民謡です。
三味線との息もピッタリ合い、堂々と唄い上げました。

師範・総師範の皆さんは「津軽三下り」の掛け合い合奏で、迫力のある演奏を披露。
「津軽ねぶた節」では村上由璃紗さんの唄、村上由宇心さんの太鼓で軽快なリズムの中にも迫力ある演奏をお届けしました。

公演メンバーの演奏では家元が登場し、村上華陽さんの唄で「津軽小原節」、そして村上三絃道のオリジナル曲「天地創造」を披露。
可能性あふれる津軽三味線の音色に客席からは「ほ~!」という声が聞こえてきました。


撮影:酒生哲雄、酒生明子(酒生哲雄写真事務所

更新日:2023/09/20