スクールコンサート in 長崎県立ろう学校
2018年5月30日(水)、10時から11時30分、長崎県立ろう学校にてスクールコンサートが開催されました。
長崎県立ろう学校は、創立120年の歴史ある学校で、その記念すべき年に新校舎へ移転。
木材をふんだんに取り入れた建物と教材の視聴、投影ができる最新鋭の文字放送システムが特徴の新校舎とのことでした。
長崎県立もう学校には幼稚部・小学部・中学部・高等部があり、全校生徒45名の皆さんにご鑑賞いただきました。
これまでにたくさんの学校でコンサートをさせていただいておりますが、ろう学校での演奏は初めて。
最近では人工内耳装用者も多くなり、全く聞こえない児童、生徒はいないとの事でしたが、事前に話す内容をまとめた台本を作成して学校と打ち合わせをいたしました。
学校へ到着すると、先生方が楽器と機材搬入のお手伝いをしてくださいました。
すると、3年前に長崎県立虹の原特別支援学校でコンサートをした際、「ハナミズキ」を一緒にピアノ演奏して下さった藤田先生がおられ、嬉しい再会となりました。
せっかくですのでプログラムを急遽変更し、「さんぽ」を先生と共演することにしました。
ピアノを準備していただき、キーや構成を打ち合わせしてリハーサル。
息もぴったりで本番に臨みました。
演奏場所はフロアということで音響をセッティング。
ピカピカの体育館の中は、まるでコンサートホールの様に充実していました。
開演時間の10時になると先生のご挨拶から始まり、皆さんの拍手とともに出演者が入場。
オープニング曲「津軽じょんがら節」が始まると、少し緊張したような感じでしたが、真剣な表情で手の動き、三味線の音色に集中して聴いて下さいました。
しばらくすると曲に合わせて体を動かしたり、三味線を弾く真似をしたりしている児童もいて嬉しくなりました。
2曲目の「天地創造」では、カラオケに合わせて三味線演奏をするのですが、カラオケが鳴り出すと皆さん横や後ろを向いてキョロキョロ。
先生にお話しを聞いたところ、三味線とは違う音が聴こえてきたので「誰がどこで弾いてる音だろう?」と不思議に思われたそうです。
スピーカーから音が出ている事を先生が手話で説明されると納得されていました。
児童、生徒の感性の豊かさに驚いた出来事でありました。
生徒の皆さんの後方には保護者や地域の方、村上三絃道長崎県諫早支部の皆さんもお越しいただき、温かく演奏を見守って下さいました。
家元が「皆さん、おはようございます!」と挨拶をすると、先生が手話をして下さいました。
スクリーンには事前にお送りした台本が映し出されていました。
児童、生徒の皆さんは手話やスクリーン、話す人の口の動きを見たりしながら言葉を理解されていました。
「風が運んだ日本のメロディ」では、体を揺らしながら聴いたり、手拍子をしたりと楽しみながら表情豊かに聴いて下さいました。
「阿波踊りよしこの」では、由宇月が手を上にあげて踊り出すと、3名の小学部の児童が前に出て由宇月と一緒に楽しそうに踊ってくれました。
楽器紹介では、沖縄の「三線(さんしん)」、「中棹(ちゅうざお)」、「津軽三味線」の3種類の三味線を紹介。
それぞれの音を聴いていただいた後は、一人一人に楽器を持っていただき、楽器の特徴や重さを体感していただきました。
また、家元が三味線は3つに分解することができ、海外へ演奏に行く際には小さなトランクに入れて行きます!と説明をし、由宇月が三味線を分解して見せると、「オ~!」という驚きの声が体育館に響きました。
急遽決まった演奏でしたが、皆さんに喜んでいただけて感激でした。
後半の部は「千本桜」からスタート。
ご存知の方も多いようで、一緒に歌ったり、手拍子を打って楽しんで下さいました。
続いての「ソーラン節」は、運動会で踊られているとの事で、数名の児童、生徒が前に出て、三味線・太鼓の生演奏に合わせて踊って下さいました。
チャレンジ・ザ・和楽器のコーナーでは、児童と生徒の皆さんは三味線に、先生には三線にチャレンジしていただきました。
家元が三味線を演奏する際に大切な姿勢「立腰」の話をすると、皆さんの腰がピッと伸びて上手に演奏していました。
中でも幼稚部の3歳の男の子が一生懸命バチを動かし、左手も動かしながら演奏している姿はとっても立派で注目を浴びました。
三味線にチャレンジした高等部3年生の男子からは「いい音がして大変良かったと思います。」と嬉しい感想をいただきました。
村上三絃道オリジナル曲「太陽じょんがら」では、手拍子を打ちながら、体を揺らしながら、全身で聴いて下さいました。
演奏終了後にはアンコールをいただき、長崎県の民謡「長崎のんのこ節」を演奏。
村上三絃道長崎県諫早支部の皆さんが、地元の皿踊りで演奏を盛り上げて下さいました。
児童・生徒の皆さんへお皿を渡すと上手に持ってカチカチと音を鳴らしながら踊っている姿が印象的でした。
最後に代表の女子生徒から、お礼の言葉をいただきました。
手話を交え、堂々と挨拶をする姿に感動いたしました。
本日はお忙しい中、私達のために来て下さりありがとうございます。津軽三味線で私たちが知っている曲を弾いて下さり、また深く重みのある音色を聞かせて下さいました。また和楽器の体験も楽しむことが出来ました。本日は本当にありがとうございました。
これまでにも何度かスクールコンサートが行われたようですが、今回が一番良い反応だったと嬉しい感想もいただきました。
- 本日は長崎県立ろう学校にてスクールコンサートです。
- 急遽決まった「さんぽ」の演奏。
入念にリハーサルが行われました。 - 表情豊かに演奏を楽しむ児童、生徒の皆さん。
- 地域の皆さんも笑顔満開で聴いて下さいました。
- 一人一人に楽器を渡して感触や重さを実感していただきました。
- 三味線を分解していくと体育館に驚きの声が響きました。
- 「さんぽ」では藤田先生がピアノを担当。
- 皆さんに喜んでいただけました!
- 先生が手話を使って児童、生徒に伝えて下さいました。
- チャレンジ・ザ・和楽器のコーナー。
3歳の男の子が一生懸命演奏してくれました。 - アンコールの「長崎のんのこ節」では村上三絃道長崎県諫早支部の皆さんが盛り上げてくれました。
- 女子生徒から手話を交えてお礼の言葉をいただきました。
長崎県立ろう学校の皆様、先生方、ご来場の皆様、ありがとうございました。
主催:一般財団法人 長崎県教職員互助組合
後援:長崎県教育委員会
※学校からの許可をいただき、写真を掲載しております。