スクールコンサート in 壱岐市立田河小学校
2018年10月19日(金)10時より、壱岐市立田河小学校にてスクールコンサート。
全小学校18校のうち半分は5月に終了しておりましたが、残り9校は10月の開催。
田河小学校がスクールコンサートの最終校となりました。
玄界灘を望む風光明媚な自然に囲まれた田河小学校。
校区には魏志倭人伝に登場する一支国の王都であった原の辻遺跡があります。平成22年には一支国博物館が建設され歴史を学ぶ機会も増えたようです。学校のキャッチフレーズは、「たくましい子、がんばる子、わかちあう子」。
田河っ子は、元気に仲良く、勉強、スポーツに励んでいます。
宿泊先のホテルを7時半に出発。
連日天気に恵まれましたが、この日はとうとう雨。
しかも大粒の雨で搬入が心配されましたが、学校に着くころには青空が広がり、まるでコンサートを応援しているかのようでした。
体育館にはすでに先生方が待ち構えておられ、機材、楽器の搬入を手伝ってくださいました。
ステージが控室になっており、演奏は体育館のフロアで開催。
ハロウィンが近いということで、控室にはお茶と共にハロウィンのお菓子も準備されていて、可愛いお菓子に嬉しくなりました。
幕が閉じられたステージの中で準備をしていると、「こんにちは!」と児童が椅子を並べにやって来ました。
しばらく作業をしている様子でしたが、並べ終わると、ステージに向かって「よろしくお願いします!」と大きな声で一礼。
幕が閉まっているにもかかわらず、ステージに向かって挨拶してくれた児童に感激し、私服のままでしたが、出演者も顔を出し、「こちらこそ、よろしくお願いします!!」と笑顔になりました。
10時になると、校長先生のご挨拶からスタート。
ホームページをご覧いただいたようで、様々な情報を収集し村上三絃道を紹介して下さいました。
「演奏者の皆さんを拍手でお迎えください!」という先生の声、そして、大きな拍手に迎えられステージとなっているフロアへ。
オープニングは「津軽じょんがら節曲弾き」から。
「ドドーン!」という大きな音にビックリした様子でしたが、初めて見る三味線に身を乗り出しながら真剣に聴いていました。
後方には地域の方も来られており、演奏が終わると「ほー!」と感嘆の声が聞こえてきました。
自己紹介で家元が、「村上由哲(よしのり)です。よろしくお願いします!」と言うと、皆さん少し不思議そうな顔をしていました。
家元が「この村上由哲という名前は父の名前で、津軽三味線を聞いたことのない九州の皆さんにも津軽三味線を聞いていただきたいという父の夢、そして村上由哲という名前をそのまま娘の私が受け継いで演奏活動をしています。」と説明をすると、「すごーい!」と家元を見つめていました。
日本各地の民謡をメドレーでお届けする「風が運んだ日本のメロディ」では、賑やかな曲、静かな曲など5曲を演奏しました。
1曲目の沖縄県民謡「谷茶前(たんちゃめ)節」では、沖縄の青い空、海の香りを感じながら聴いていただきました。2曲目は海の唄、熊本県民謡「牛深ハイヤ節」。
3曲目は祭り唄、徳島県「阿波踊りよしこの」。
由宇月が「阿波踊りには踊りがあります。せっかくですから一緒に踊りましょう。」と言って踊り方を説明すると、みんな手を高く上げて踊りの手振り。
数名の児童が由宇月の手に引かれ前に出て、三味線と太鼓のリズムに合わせて踊り出しました。
中央にいた男子は腰を低く落とし、とても上手に踊ってくれました。本場顔負けの踊りで、会場の笑いを誘っていました。
4曲目はしっとりと、新潟県の「佐渡おけさ」。子ども達と一緒に踊った由宇月はそのまま横笛の演奏。おけさのリズムに変化して、独特の笛の響きと歌を次々に聴いていただきました。
メドレー最後は青森県の「津軽あいや節」。家元の力強い三味線に華映の太鼓、由宇月の唄が加わり、児童の皆さんはバチの動きに注目しながらじっと聞き入ってくれました。
前半のステージ最後は、地元の民謡。すでにリサーチ済みの「新壱州おけさ」です。
運動会でも踊っているとのことで、先生方が小道具のバチを全員分用意して下さいました。
踊り用のバチにはキラキラしたフリンジが付けられていて打ち鳴らすと音だけでなく華やかになります。
生演奏にのせて表情豊かに踊ってくれました。
また、地域の皆さんにもバチが配られましたが、振りをご存知のようで、参加者全員の「新壱州おけさ」となりました。
休憩時間は三味線とのふれあいタイム。
皆さん演奏をよく見聴きしてくださっていて、「左手の指につけている青いのは何ですか?」など質問されました。「指すりという道具で、手を滑りやすくするために使うんですよ。」と会話が弾みました。
また、地域の方の中には、細棹の三味線や大正琴のお稽古をされている方もいて、津軽三味線の奏法についての質問なども下さいました。
後半のステージは家元が「三味線の秘密を教えます!」と言ってスタート。
由宇月が三味線を分解し始めると「え~!!」という声が。
三味線は3つに分解することができるので海外公演では三味線を分解し小さいトランクに入れて機内へ持ち込みます。
分解した三味線を見せると驚いた表情で、三味線に対する興味も益々深まったようでした。
三味線にチャレンジのコーナーでは、各学年1名、先生1名に三味線、三線を演奏していただきました。
「三味線弾きたい人!」と言うと、たくさんの手が上がり選ぶのに一苦労。
選ばれた児童は「えっ、私?!」と、とても嬉しそうでした。
初めて演奏する三味線でしたが、家元から演奏する時の秘訣、「立腰」を教えてもらうと、腰がピッと伸び素晴らしい演奏姿勢になりました。
演奏したのは「ソーラン節」。掛け声をかけながら、全員で三味線の音を響かせました。
チャレンジは大成功!!みんなとても満足そうでした。
チャレンジの後は、どこの学校に行っても大人気の「太陽じょんがら」。
みんな体を揺らしたり、三味線を弾く真似をしたりして、手拍子を打ちながら楽しく聴いてくれました。
締め括りは、津軽三味線の代表曲「津軽じょんがら節」。別れを惜しむかのように、じっと演奏に聞き入っていました。
演奏が終わると大きな拍手と共に、「アンコール!アンコール!」の声が。
アンコール曲は、皆さんが大好きだった「千本桜」。
元気よく一緒に歌いました。
アンコールの後は、児童代表の方からお礼の言葉と、お花、壱岐のお菓子、壱岐の焼酎をいただきました。
学校のすぐ近くに焼酎藏があるそうで、地元の名産を吟味して用意して下さったとのことでした。
演奏者からも「太陽じょんがら」が収録されたCDをプレゼントし、皆さんと記念撮影。
今日は田河小学校で演奏をしてくださり、ありがとうございました。
私は三味線に、三線と細棹と津軽三味線と3種類あることを初めて知りました。
今日、三味線の演奏を初めて自分の耳で聞いてみて、とても迫力があって楽しかったです。
壱岐では5月から今日まで全部の学校で演奏をしてくださり、ありがとうございました。
また機会があったら、私も三味線に触れてみたいです。
今日は本当にありがとうございました。
演奏後には、先生方が楽器や機材を運んでくださって、あっという間に片づけが終了しました。
校長室でお茶をいただいていると、プレゼントしたCD「太陽じょんがら」が流れてきて感激。
早速聴いていただいたことに嬉しくなりました。
壱岐での最終校も無事に終了。
全校で感動の出会いがあったことに感謝すると共に、今年度が終わってしまった寂しさも同時に感じています。
「たくましい子、がんばる子、わかちあう子」の田河小学校の皆様、地域の皆様、本当にありがとうございました。
皆の笑顔を心に刻み、これからも心を込めて演奏活動に努めてまいります。
- パンフレットに目を通される地域の皆さん。
- 校長先生の呼びかけで入場。スクールコンサートスタートです!
- 初めて見る三味線に興味津々の児童の皆さん。
- 1曲1曲大きな拍手を送ってくれました。
- 楽器紹介のアシスタントは男子児童。
- 「新壱州おけさ」では大きな踊りの輪が出来ました。
- 地域に根付き老若男女踊れる民謡があるというのは貴重です。
- 休み時間には三味線に触れたい児童が長い列を作りました。
- ソーラン節ではお馴染みの掛け声を一緒に掛けてもらいました。
- チャレンジザ和楽器。
- 立腰の姿勢で上手に弾けました。
田河小学校の皆様、先生方、地域の皆様、ありがとうございました。
主催:一般財団法人 長崎県教職員互助組合・壱岐市教育委員会
後援:長崎県教育委員会
※学校からの許可をいただき、写真を掲載しております。